島の未来を模索するスペシャルインタビュー特集
「新島の文化ってカッコいい!未来へ受け継がれるために何かしたい!」という思いのもと、新島OIGIEを結成して、この10月で丸5年になる。もとはミュージシャンやライター、デザイナーなどのフリーランサーが集まったOIGIEチーム。当「にいじまぐ」をはじめとするフリーペーパーの発行やメディア制作、交流拠点の運営、来島者のアテンドなど、新島村の情報を発信し、島の外と中の人をつなぐのが主な仕事です。
その一方で、OIGIEは結成当初から島の空き家問題に取り組んできました。というのも、新島には天然石・コーガ石を使って建てられた「コーガ石の家」がたくさん残されていて、その多くが空き家になっているからです。
個性的なコーガ石の家が建ち並ぶ集落は、ここでしか出会えない貴重な景色。島人の知恵と工夫が詰まったコーガ石の家に愛着を持っている住民も多く「コーガ石の家を残したい。でも方法がわからない」という声をたくさん聞きました。
そこで私たちは石工さんに話を聞いたり、長い間使われていなかったコーガ石の蔵を掃除してみたり、実際にコーガ石の家を借りて利活用してみたり、空き家のオーナーに話を聞いたりと、コーガ石の家が「生きた場所」として活用される道を探ってきました。
またコーガ石に関しては研究者も多いので、建築家や調査団など専門家と交流してコーガ石保全について意見を求めてきた。最近では新島村の空き家協議会のメンバーになり、村の空き家対策にも積極的に関わっています。
けれど5年がたった今も、新島の空き家はいっこうに減る気配がありません。むしろ、コーガ石の家が解体される場面を目の当たりにすることが増え、虚無感に襲われることがある。コーガ石だけでなく、新島の文化芸能は担い手不足がどんどん深刻になっています。
空き家はこのまま減らないんだろうか。島の人たちはもう、コーガ石の家を残したくないんだろうか。島の文化はこのまま、消えていく運命なんだろうか。もしそうだとしたら、自分たちの活動はただのおせっかいで、無意味なものなんじゃないだろうか…?
そんな思いがぐるぐるとまわる結成5年の節目に、私たちはひらめきました。考えても答えが出ないなら、誰かに話を聞きに行こう。いろんな話を聞いて、道を探そう。というわけで、新島OIGIEのインタビュー企画「新島の文化は守れますか?」始まります!