今さら聞けない手ぬぐいのひみつ
Contents
わたしたちが手ぬぐいをつくり始めたワケ
こんにちは。にいじまぐ編集部のソーデー由美です。
当にいじまぐwebを運営している新島OIGIEは、新島・本村エリアに事務所兼店舗を構えています。ショップでは島の素材を使った加工品や雑貨、島の作家さんによるクラフト商品を取り扱うほか、オリジナルグッズも販売しているわけなのですが、そのOIGIEオリジナルの代表といえるのが「手ぬぐい」です。


そもそも手ぬぐいをつくり始めたのは、2017年に『にいじまぐ』を創刊したときのこと。にいじまぐはスポンサーのいないフリーペーパーなので、つくればつくるほど赤字になる事業です。自慢じゃないけど黒字になったことは一度もありません(自慢してどうする)
本当にたくさんの方のサポートのおかげでなんとか発行できているので、感謝をこめて「オリジナルグッズでちょっとしたお礼ができないだろうか」と考えたのが出発点。まあ内心は「あわよくばグッズが土産としてバカ売れして制作費のたしにならないか」という邪な気持ちが勝っていたことを、ここで告白しておきます。
そんなわけで編集部であれこれ考えて、たどりついたのが「手ぬぐい」だったのです。もともと自分が手ぬぐい好きだったこともありますが、手ぬぐいなら軽くてかさばらないし、腐らないので取り扱いも楽。なにより島暮らしに欠かせない生活用品ですから、島の人に喜んでもらえたら嬉しいし、そうじゃなくても「何枚あっても困らないだろう」という予測のもと、つくり始めたのでした。
まさか8年後に「OIGIEといえば手ぬぐい」と言っていただけるようになるとは夢にも思いませんでしたが、手ぬぐいのおかげでどうにかこうにか活動を続けられています。
そんなショップで最近「手ぬぐいってどうやって使ったらいいんですか?」という質問をお客様からいただくことが増えてきました。こんな使い勝手のいいアイテムを知らないなんてもったいなさすぎる!ということで、改めて手ぬぐいの魅力と活用法について全力でお伝えさせてください。
手ぬぐいの魅力
江戸っ子の必須アイテム
手ぬぐいの起源には諸説あるようですが、古くは奈良時代に神事の装身具として使われたと言われています。当時は絹や麻でつくられた非常に貴重なものだったようですが、江戸時代に木綿の栽培が盛んになると、綿でつくられた手ぬぐいが一般庶民の間で親しまれるように。この頃から「手ぬぐい」と呼ばれるようになったそうです。
名前の通り、手ぬぐいは手やカラダをぬぐうもの。ハンカチやタオルのような実用品として、暮らしになくてはならないものでした。やがて染色技術の発達により、複雑で色鮮やかなデザインが登場。役者や力士などが名刺代わりに配ったり、ご祝儀やお礼として贈ったりして、オシャレやギフトとしても重宝したようです。
ちなみに手ぬぐいといえば、大河ドラマ『べらぼう』に登場する売れっ子絵師で戯作者の山東京伝。江戸の通人たちを集めて趣向を凝らした手ぬぐいの図案を競いあう展覧会を開催したほか、手ぬぐいのデザインだけを集めた図案集も出版しています。江戸っ子は手ぬぐいをアートとしても楽しんでいたんですね。
なんたって軽量&速乾!
手ぬぐいの何がいいって、とにかく乾くのが速い! びっしょり濡れていても、夏なら30分もすればカラリと乾いてしまいます。これは生地が薄いということもそうですが、端が切りっぱなしになっているため。糸で留められていないぶん、水分を速く逃がすことができます。
拭く、だけじゃない多機能性
手ぬぐいの魅力は単に水や汗をぬぐうだけでなく、ものを包んだり、巻いたり、被せたり、敷いたりと、さまざまな使い方ができる多機能性。使い方のコツを覚えれば、驚くほどいろいろなシーンに活用することができます。
つかいこむほど柔らかくなる
買った直後は少しゴワゴワとしてハリがある手ぬぐいですが、つかうほどに少しずつ生地がふんわりしてきて、肌ざわりがどんどん柔らかくなってくるのがわかります。色味も少しずつ変化して、味のある風情に。そうした「育てる楽しみ」も手ぬぐいの魅力と言えます。
こんなことも⁉手ぬぐい活用法
ハンカチ・タオルとして
吸水性・速乾性に優れた手ぬぐいは、とにかく水場で大活躍!ハンカチやフェイスタオルのように手や顔を拭くのはもちろん、お風呂でボディタオルがわりにカラダを洗ったり、バスタオルのように濡れたカラダを拭いたり。ちょっとしたお出かけや旅行のときに1枚あればかなり重宝します。




キッチンでふきんとして
水場といえば、キッチンも手ぬぐいの活躍どころ。手ぬぐいはタオルのように糸が毛羽立たないので、食器を拭いても糸がつかずきれいに拭けます。小さく畳んで台ふきにつかってもいいし、広げてキッチングッズの上にかければお洒落な目かくしにもなります。

島のオシャレアイテムです
新島でいちばん手ぬぐいが活躍するところ。それは
畑とダントウ(墓地)
でしょう。帽子がわりのほっかむりをしたり、日焼け防止と汗ふきのために首に巻いたり、全身のほこりや汚れをはらったりと、手ぬぐいなしに外仕事は進みません。


祭りでも活躍します
祭りといえば、手ぬぐい。手ぬぐいといえば、祭り。
新島の祭りでも、手ぬぐいは汗をぬぐったり、衣装をずれにくくするためにつかわれることが多いです。

▲頭に手ぬぐいを巻き、大踊りの特徴であるカバ(布を垂らした笠)をかぶります
手ぬぐいラッピングでセンスアップ
最近では手ぬぐいにもいろいろなデザインのものがあるので、ラッピングアイテムとしても活用できます。Youtubeなどで「手ぬぐい ラッピング」と検索すると、たくさんのハウツー動画が出てきますので、ぜひ試してみてほしいです。



さらにミシンや手縫いなどで縫いつければ、使い方は無限大!
暮らしを彩る身近なアイテム、それが手ぬぐい。ぜひ一度、お試しくださいね。








