バッグの中身から見えてくる島ライフ

突然ですが、島に暮らすみなさん。あなたはどんなバッグを持って出かけていますか?
新島は東京諸島の中で、大きさも人口も中ぐらいのサイズ。生活の足となるバスや鉄道などの便利な交通機関はなく(1日3本のコミュニティバスはありますが)、移動手段は基本、車を使います。
とはいえ仕事場と自宅との距離はとても近いので、住民は昼休みになると家に帰ってごはんを食べるのが当たり前。うっかり忘れものをしたってすぐに取りに帰れるし、なんなら必要なものは車にのっけておけば事足ります。
キャッシュレス化が進んでいるので、財布すら持たなくても大丈夫。実際、手ぶらで生活する人もたくさんいる、それがここ新島のライフスタイルです。
そんな環境の中で、わざわざ持ち歩いているバッグの中には、いったい何が入っているのか?何が必要で、どんなこだわりがあるのか?そこから意外な“島らしさ”が見えてくるかもしれません。
というわけで、突然ですが始まりました「あなたのバッグの中身見せてください」シリーズ。WIMG(What’s in My Bag?)ならぬ「WITB(What’s in TOMIN’s Bag?)です。
第1回のオーナーは、小澤里江さん。新島で法人代表と和太鼓のコーチを務める彼女のバッグの中身とは…?さっそく見せていただきましょう。
Contents
バッグひとつでどこでも生きていけます
こんにちは。小澤です。生まれは新島ですが、子供の頃は父の仕事の都合で伊豆諸島北部の島を転々としていました。高校で新島に戻ってきたのですが、そこで和太鼓と出会い、プロの奏者をめざして島を出ました。
30代までプロの和太鼓奏者として活動後にUターンし、現在は新島OIGIEという法人を設立。おみやげ店OigieShopを開いたり、フリーペーパーを作ったり、移住相談窓口をしたり、島の子供たちに和太鼓を教えたりしています。仕事のジャンルが幅広すぎるので、よく「何をしている人なんですか」と言われます。
そんな私が愛用しているのはDultonの16オンス・ワックスキャンバスワーカーバッグ。
もともと工具を入れる用のバッグなので、大きくて、ポケットもたくさんあるので仕分けもしやすいし、すごく使いやすいです。ポイントは、とにかく大容量で、とにかく丈夫なこと。
島を出て舞台芸術系の大学を卒業したんですが、その後は和太鼓や民謡のお師匠さんに弟子入りして、住み込みで修行していました。その後もプロ奏者として全国を転々とする生活が長かったので、「バッグひとつに必要なものを全部入れる」というのが沁みついちゃったみたいです。
なので、新島に戻った後もバッグは容量の大きなものを使っていて、このバッグひとつあれば何があっても生きていけます。ここに下着と服が入れば、このまま旅に出れますね。
キーホルダーはじゃらじゃらつけてます。一番右は、知り合いが作ってくれた方言アクキー。「おいぎー」は新島の言葉で「私の家」という意味ですが、経営している法人の名前でもあります。隣は島の小学生が粘土で作ってくれた島の伝統芸能「大踊」グッズです。
真ん中の3つは、島の商店さんが作っているオリジナルキーホルダー。プレート型でめちゃかわいい。クオリティすごくないですか?これ、売り物じゃなくてプレゼントしてるんですって。
左から2番目は島の小学生が制作したキーホルダー。最後の一番左は、うちのオリジナルグッズ「くさやねこ」キーホルダーです。
デジタルガジェットがえげつないほど好き
仕事柄もあって、デジタルガジェットは日々駆使しています。新島はネット環境がすごくいいので、基本的にどこでも作業できますね。
愛用しているのは、Mac Book Pro13。1年前に購入しました。仕事でデータのやりとりしたり、オンライン会議や動画編集などにも使っています。
ケースに使っているのはSHELLの「エンベロップ・ラップトップスリーブ14inch」。和紙を使っていて、質感が気に入ってます。あと、バッグの色でおわかりのように、好みのカラーです。
続いてiPadです。iPad Proは5年以上使っている愛機。SNSのやりとりなど、日々のこまかなやりとりはiPadのほうが便利です。MOFTのスタンドをつけているんですが、使い込みすぎてもはや自立できません。
自分のスタイルとしては、iPad本体にカバーはつけないです。基本は裸で使います。その代わり、ケースにはこだわります。
iPad専用ケースの「レイヤーポーチPro」は内側にポケットがあるのでガジェットも収納できて、でも厚みがなくスッキリしていて、それでいて全てのアイテムが傷つかないようになっているのがすごい。そしてこの漆黒カラー!黒が好きなんですが、この漆黒カラーめちゃくちゃカッコよくないですか。
最後はiPhone11 Pro Maxです。こちらもカバーをつけずに裸で使っています。5年使っているので、バッテリーがヤバイです。そろそろ買い替えたいんですが、先日リリースされた16の値段を見て瞬時にあきらめました。
そんなことより壁紙にご注目ください。東亜フォントがカッコいいですよね。このフォント知っている人、いたら友だちになりましょう!
ゲームなしで生きていけるとお思いですか
ええ、ゲーマーです。
和太鼓やってた、世界中回ってたと言うとアクティブなイメージがあるかもしれませんが、完全にインドア派です。休みの日は家から一歩も出ません。そしてゲームをします。ゲーム大好きです。一生やってられます。
なので小物もゲーム系がありますね。こちらは、ほぼ日のひきだしポーチ。Mother2モデルです。ガジェット入れとして使っています。
中身はこちら。上の右から、切り替えハブ、イヤホン、変換可能USB-Cケーブル、アダプター、Apt15のルームミスト、名刺入れ。
Apt15は店舗でも取り扱っているアロマブランドで、ルームミストは自分の気持ちをオンするために使っています。島はどこに行くにも距離が近いので、便利な反面、気持ちの切り替えが難しいこともあるんですよね。そういうときに、香りでスイッチを切り替えます。
名刺入れは、父のものを使っています。新島にUターンしたのは父の介護のためでしたが、1年半後に亡くなりました。そのときに島に残るか、もう一度出るか悩んで、島に残ることにしました。
和太鼓奏者としてはそのまま引退しましたが、今でも和太鼓に関われて、しかも父の名刺入れを使えるような仕事ができるとは全く思ってませんでしたね。
ちなみに写真の下は、MemoBookとフリスク。MemoBookはパスワードとか大事な情報をメモしています。なくしたら死ぬやつ。
コードクリップは作家の湯本コウスケさんが作ってくれた、OIGIEロゴ入りのもの。手染めの革が発色よくて、肌ざわりもいいんですよね。
エコバッグはNintendoプラチナポイントでしか買えない「あつまれどうぶつの森」のDoDoエアライン限定グッズ。結構使ってます。
クリアファイル各種。わりとこだわっていて、基本は「透明でない」「昭和レトロっぽいやつ」。ゲーム感もありますね。クリアファイルはショップまでわざわざ買いに行ってます。
自分にとってのクソみたいな日々を愛でる
小物、いきます。
一番上は、ボディシート。高校の和太鼓部でコーチをしているのですが、部活で大量に汗をかきます。直後に仕事とか、人に会うとかいうことも多いので、業務用に近い量を持ち歩いてます。
ちなみにメイク道具は持ち歩きません。コスメは大好きなんですが、せっかく時間かけてメイクしても部活に行けば一瞬で流れてしまうので、もうあきらめました。
真ん中は右がティッシュケース。お土産にもらった、瀬戸大橋のデザインがオシャレ。ちなみにポケットもついていて、目薬とリップが入ってます。
隣は貝の形のポーチ。誕生日プレゼントに甥っ子がガチャガチャでとってきてくれました。安い女です。薬入れに使ってます。
NOLTYのメモ帳は、パソコンの手前に広げて使える横長サイズ。日々浮かんだ言葉をメモしているんですが、
「足りないものの中に、いい企画が生まれがち」「自分にとってクソみたいな日々を愛でる」「40代の思春期」
後で読み返しても何言っているのかよくわかりません。
あとサングラスはイキってるわけじゃなくて、島は紫外線が強いので普通に実用してます。
DEEPAXXの保湿スプレーです。新島のカフェPOOLさんのshopにもありますので、新島では愛用者が多いのではないでしょうか。新島は冬ものすごく乾燥しますし、夏は夏でエアコンの風にあたったりするので、保湿スプレーは必須です。あと、シンプルにいいにおい。
こちらはBIZTECHの2つ折りファイル。A4の紙を折らずに入れられるので便利。1カ月分の書類や伝票をまとめて保管して、月末に確認するのがルーティンです。
整理もしやすくて、おすすめですよ。
「薄くて多機能」がこだわりポイント
最後はショルダーポーチです。ポイントは「薄くて多機能、お財布としても使えるもの」。クラファンで手に入れました。もはやこのポーチを使わない人生は考えられない、というほど愛用しています。
入っているのは、Uzuのリップ。±0のやつがお気に入りです。ケースがカッコイイ。ペンはパイロットのJuice Up0.3のブラック。細くて書き心地がいいので1年くらい使ってます。付箋は部活で教えている高校生からもらったもの。目薬は鳩のマークのやつ、35年ぐらい使ってます。
革の「ちいさいふ」は、新島で知る人ぞ知る「おじすん」の手作り。小銭入れはもうこれ一生使います。
ポーチの内側にポケットがついていて、お札とカードを入れています。ちょっとしたお出かけなら、このポーチで全て解決できますね。
いろいろ詰め込んでいるのに、この薄さが最高です。
太鼓アイテムは常に入ってます
太鼓は高校の和太鼓部で週3回ほど、小学生の太鼓教室で週1回指導しています。高校の和太鼓部は私が高校時代に作ったこともあって、島を出た後もずっと関わり続けています。少人数ですが強豪校で、今年は関東大会にも出場し、イベントに呼ばれることも多いので、なんだかんだ毎日のようにやることがありますね。
太鼓グッズもバックに入れて持ち歩いています。写真の一番後ろにバチが見えてますね。
太鼓グッズは、こちらのトートに入れて、バッグの一番大きなポケットに入れています。トートは、同じ伊豆諸島の青ヶ島還住太鼓のもの。太鼓交流の証です。
こちらはMyバチ。師匠が削ってくれています。左から三宅バチ(桧)、長胴バチ(桧)、締めバチ(桧)、担ぎバチ(朴)、特注コーチバチ(樫)です。基本的に高級木材ですが、桧は折れることがあります。特注バチは、樫でできているため、絶対折れません。指導に使います。
太鼓部指導で出入りしている新島高校のクリアファイル。毎月の予定表と、事務関連の書類が入っています。下のファイルは、今年度のミーティング議事録や課題や目標、生徒から出た意見などをまとめたものをファイリングしています。
高校に入るために必要な外部指導員カード。これがないと不審者になります。
こちらは小学生教室の譜面。テンションを上げるために、かわいい譜面にしてあります。譜面ファイルはKAKIKOを使っています。ファイリングした状態で、そのまま書き込めるという優秀なファイルです。
こちらは、普段の練習でメモを素早く取るためのバインダー。高校の前前前顧問だった「いしいさちこ先生」のバインダーを借りパクしています。ステッカーはぐでたまと、勉強YouTuber・OKIさんのステッカーで飾っています。
もちろん重たいです
こうやって見ると、本当に荷物多いですね。重量もあります。めちゃくちゃ重たいです。でも、バッグを取り替えたくないんですよね。中身を入れ替えると、ぜったい忘れ物するので。
まあ、このバッグでも忘れ物はしますけどね。