「幻のヤカミ衆」に触れる貴重なチャンス!

新島・式根島にはかつて「ヤカミ衆」と呼ばれる、神に歌を捧げる女性集団が存在していました。島の女性は一定の年齢になるとヤカミ衆に加わり、祭礼や祈願の折に神社や浜へおもむき、御歌(神楽)を歌って祈りを捧げていたといいます。集落によって歌や作法が異なり、それぞれのルールで神楽が受け継がれていました。
大踊り、獅子木遣りと並び新島村を代表する伝統芸能として、東京都の無形文化財に登録されている神楽。けれど本村では数十年前に廃れ、最後まで残っていた若郷でも、残念ながら数年前に途絶えてしまいました。
生きた芸能としては二度と見ることはできなくなってしまった、幻の集団「ヤカミ衆」。新島村博物館では近年、失われつつある島独特の風俗や風習を記録して後世に残していこうという活動を精力的に展開しています。
その一環として、若郷のヤカミ衆だった女性たちによる神楽の記録映像を撮影。収録の様子をとらえた特別展示『ヤカミ衆写真展』が、現在、新島村博物館で開催されています。
展示では特別な装束を身にまとったヤカミ衆が、実際と同様の手順を再現。準備からお供えなどのセッティング、歌の披露までの様子が写真パネルで展示され、若郷の神楽を追体験できるようになっています。





展示の最後には実際にヤカミ衆が着ていた装束や、収録されたヤカミ衆の記録映像の上映も。記録映像は会場で終日流れているので、貴重なヤカミ衆の姿をいつでも見られる貴重な展示になっています。ぜひ、この機会に体験してみていただきたい!

『神様に捧げる御歌 ヤカミ衆写真展 若郷編』
会場:新島村博物館2階 特別展示スペース
開催日時:開催中~2025年12月28日まで(予定)
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1階の常設展示にも神楽の展示がありますので、あわせてどうぞ。