観光映像が世界的な活況。観光PRは動画の時代へ!
ドローンをはじめとする撮影ツールの充実や映像アプリの普及で、今や誰でも本格的な映像作品を制作できる時代になりました。全国の自治体や観光団体でも「映像を通して地域の魅力を発信しよう」と映像プロモーションに力を注いでおり、観光映像だけを扱った映像コンテストも増えてきています。
そんななか、観光映像に特化した国際コンペティション「第2回日本国際観光映像祭(JWTFF)」が2020年2月27~28日に大阪市で開催され、新島を舞台にした映像作品『New TOKYO』が日本部門の学生・教育機関特別賞の最優秀賞、VLOG賞(Video Logの略でブログの動画版)の優秀賞に選ばれました。
『New TOKYO』は、新島村商工会が2016年度から開催している映像コンテスト「映像のチカラコンテスト」から誕生した映像作品。映像のチカラコンテストは「東京の島を知らない若者たちに、2分で新島・式根島の魅力を伝えたい」をコンセプトにした学生向けの映像コンテストで、日本工学院専門学校の学生チーム「N4」が2018年度に制作したのが『New TOKYO』です。
当作は2018年度グランプリを受賞した後、東京と東京諸島を結ぶ東海汽船の船内等で上映されるなど新島のPRに活用されていましたが、アマチュア作品とは思えないスタイリッシュで完成度の高い映像がひそかな話題になっていました。
そこで映像のチカラコンテストが2019年度で終了するにあたり、事務局がコンテストの集大成として前出の観光映像祭へ応募したところ、予想を超える高評価を獲得する結果となったそうです。映像祭に出席した新島村商工会の西胤輝之進さんは、
「世界基準で観光映像を審査する映像祭で、新島での取り組みが評価されたことは本当に嬉しいです。また、グランプリ作品やノミネート作を拝見しましたが、映画のようにストーリーを感じさせるものや上質なドキュメンタリーのような作品も数多くあり、観光映像の可能性を強く感じました。観光映像は単なる観光PRだけでなく、映像を通した地域づくりや観光資源の掘り起こしの重要なツールになっている気がします。新島村でのコンテストは終了しますが、観光映像の可能性については今後も考えていきたい」
と語り、観光映像の未来に期待を寄せています。
なお、日本国際観光映像祭は観光映像のレベル向上や国内外への発信を目的に2019年に創設されたもので、観光映像をテーマにした国際映像祭は東アジアでは初の試み。第2回となる今回は国際部門1015点、日本部門79点の応募作品が集まり、日本部門では北海道釧路市の阿寒湖周辺に息づくアイヌ文化を取り上げた『ガーディアン・オブ・ザ・フォレスト~カムイの地への旅~』がグランプリを受賞。
離島の映像では、映像作家の中野裕之監督が伊豆諸島・小笠原諸島の景観美をおさめた『東京‘真’宝島 父島編』がNature & Rural Tourism(自然、農村、山村観光)の優秀賞に選ばれています。
受賞作『New TOKYO』はYou Tubeにて公開中。この機会にぜひチェックを!
*関連リンク*
日本国際観光映像祭ウェブサイト
新島村商工会・映像のチカラコンテストページ(過去のノミネート作品リンクあり)
文/秋枝ソーデー由美(にいじまぐ編集部)