特集 連載 流され島のファンタジア
書けなかった編集後記
Posted on 2020年6月18日
最後にちょこっとプレゼントあり!
こんにちは。ジメジメした雨の日が続く6月の新島より、にいじまぐ編集部のソーデー由美です。
5月のコーガ石特集「新島って、ロックだ!」に続く特集公開第2弾として、5日間にわたって公開してきました「流され島のファンタジア」、いかがでしたでしょうか?
この特集は紙のフリーマガジン「にいじまぐ」2号に掲載した特集の一部を、Web転載したものです。発行は2018年ですので2年前の記事になりますが、知られざる流人の歴史を語っていただいた貴重な証言も多く、当時のまま掲載させていただきました。一部古い情報もありますが、あらかじめご了承のほどよろしくお願いいたします。
というわけで紙の「にいじまぐ」では予算の関係上、編集後記を書くスペースがないので(泣)、Web版の最後にちょこっと書かせていただきます。あと少し、おつきあいくださいませ。
「にいじまぐ」の創刊号では新島を象徴するコーガ石を取り上げましたが、次のテーマは何にしよう? と考えたとき、真っ先に浮かんだのが「流人」というキーワードでした。
新島の集落を歩いていると、「流人墓地 TOMB OF EXILE」という標識をあちこちで目にします。それまで私の中では「流人=重罪人」というイメージがあったので、流人の墓が島を代表する観光スポットとして堂々と紹介されている(しかもEXILE!)ことに、率直に驚きました。
気になって、ときどき流人墓地へ行くようになりました。地元では「ダントー」と呼ばれる共同墓地の奥にある流人墓地は、いつも真っ白い砂が敷きつめられていて、コーガ石でできた墓には鮮やかな花々が飾られています。墓地という言葉からは想像もつかいないほど、清らかで心地よい空間。
しかも墓石はちょっと変わった形をしていて、かつての流人仲間が故人をしのんで石を彫ったと聞きました。誰でもカンタンに彫れるコーガ石ならではの逸話ですが、それにしても大事な仲間が亡くなったので好きなものを墓に彫ってやろうってなったときに、彫ったのが酒樽だ、博打のサイコロだって。人間くささ、ハンパなくないですか。
さらに、共同墓地には「飛騨んじい」の愛称で親しまれている流人の墓があって、それを新島小学校の6年生が毎日お世話をしていると聞いたときには「え、小学生が墓掃除? 毎日??」と、あまりの驚きで何度か聞き返したのを覚えています。
流人は江戸から送られてきた罪人ですから、島には縁もゆかりもないはず。しかも100年以上前に生きていた人たちです。島の人も、それが誰だか知らない。それなのに、島の人たちは今でも毎日のように墓をきれいに掃除して、お参りしている。その背景には何か、特別な関係性があるんじゃないだろうか?
「誰も知らない、会ったこともない。それなのに島のあちこちに流人の影を感じるって、なんだか幻想的ですね」
編集スタッフのそんな一言から、ファンタジア(幻想曲)という名の企画が生まれました。
最後の流人が島を去って140年以上たっているので、当たり前ですが当時を知っている人はこの世にいません。そこで、妄想力を駆使して「流人になった気分で島を歩いてみる」「当時の島人の気分になって、流人が生きていた時代を想像する」ということをくり返しながら、特集を組み立てました。
流人たちは、どこからどうやって新島にたどりついたのか。明るく陽気に見える新島のミルキーブルーの海は、流人たちの目にどう映ったのか。彼らは島のなかでどんな風に過ごしたのか。コーガ石特集のような派手さはありませんが、あまり取り上げられることのない「流人が流された先の島で、何が起こっていたのか」に注目した妄想力フル稼働!の読み物企画です。
本誌の表紙は、流人が万感の思いをこめて眺めていただろう(←ここ妄想)新島の水面をドラマチックに撮影したいと思い、島じゅうの浜を撮ってみた結果、夕日に輝く三郎浜の水面を採用しました。新島らしい明るい海とはちょっと違う、島の光と影を感じてもらえたらと思っています。

また、特集のメインカットでは、流人が初めて見ただろう新島の景色(←妄想パート2)をイメージするべく、外海から前浜へ向かうショットを撮影。
「流人の時代は今みたいな大型船ではないから、目線はあくまで海面に近い、低いところからのアングルがいいなー」
というデザイナーの鬼オーダーにより、連絡船にしきに乗ったり、大型船さるびあに乗ったりと涙ぐましい努力をしたのも今ではなつかしい思い出(漁船に乗ればよかったんじゃね?って意見はこのさい黙殺します)。

最後までお読みくださり、ありがとうございました! ここまで読んでくださったお礼に、特集公開恒例のちょこっとプレゼントです。↓
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