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新島の大踊りがユネスコ無形文化遺産に登録

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Posted on 2022年12月2日

新島の夏を彩る伝統芸能が日本を代表する文化遺産の1つに

毎年8月のお盆時期に披露される、新島の夏を彩る伝統芸能「大踊り」が、このたびユネスコの無形文化遺産に登録されることが、2022年11月30日に発表されました。

これは日本各地で古くから受け継がれている「風流踊り(ふりゅうおどり)」を登録するもの。風流踊りは盆踊りや念仏踊など、太鼓や笛などのお囃子に合わせて踊る伝統的な群舞で、五穀豊穣や雨ごい、死者への鎮魂などの祈りをこめて歌い踊ります。室町時代に全国で流行し、その後、各地の歴史や風土に合わせて独自に変化しながら現代に受け継がれてきました。

今回の文化遺産登録は、風流踊りをルーツとする全国24都道府県41の踊りをまとめて登録するもので、秋田の「西馬音内の盆踊」や岐阜の「郡上踊り」「寒水の掛踊」、長崎の「対馬の盆踊り」などとともに登録されたのが、新島の大踊りです。

本村の大踊り。紫色のカバが目印。ゆったりと厳かな踊りが特徴

 

新島の大踊りは毎年8月14日に若郷の妙蓮寺で、8月15日に本村の長栄寺で披露され、カバと呼ばれる布を笠からたっぷりと垂らし、紋服の着流しに真田織の帯を結び、腰に印籠を下げた踊り手が輪になって踊ります。流刑地として流人を受け入れてきた歴史を持つ新島では、流人が踊りの手ほどきをしたとか、流人が踊るから顔を隠したなど流人にまつわる逸話も多く、流人文化を代表する芸能として定着しています。

若郷は赤いカバで、ダイナミックな動き

 

顔を隠した踊り手が宵闇の中でゆっくりと踊るさまは、なんともいえない迫力と厳かさがあり、一度目にすると「来年もまた見たい」と思ってしまう独特の魅力があります。けれど残念ながら、天候不良やコロナ禍により、ここ数年は披露されないままになっています。

過疎地の伝統芸能の多くは、慢性的に続く担い手不足にコロナ禍が拍車をかけ、いざコロナがおさまっても開催できないケースが出ていると聞きます。新島の芸能も、はたして残していけるかどうか、存続の危機と常に戦っています。今回の文化遺産登録をバネに、この新島にしかない貴重な大踊りが後世に受け継がれていきますようにと、切に願っています。

大踊りに関する記事は、流人文化特集「流され島のファンタジア」をぜひご覧ください。

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text by ソーデー由美(にいじまぐ編集部)

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